行政書士事務所 ほりうち

福岡市で行政書士をしています。 

親が認知症になると銀行口座が凍結される? ~知っておきたいお金の話①

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ブログにご訪問いただきありがとうございます☆

 

ここ2回にわたり、高齢者・認知症の物忘れ、被害妄想についてお話をしてきました。

親の介護等でもう一つ問題になるのは、「お金」のことです。
今日はお金の問題について以下の2つのことをお話ししたいと思います。

 

① 「認知症による財産の凍結」という可能性があることを知る


② 万一の時に備えて、親と金銭面での問題をクリアにしておく~聞いておくべきこと

 

認知症による財産の凍結について

人が亡くなると、ご本人の銀行口座は凍結され、家族でも勝手に預金を引き出すことができなくなります。これは割とよく知られていることかと思います。

 

しかし、実はそれだけではありません。

本人が重い認知症などによって判断能力を失った場合、その方の預貯金や不動産などの財産が凍結されてしまう可能性があります(「認知症による財産の凍結」といいます)。

 

認知症に関する本を読むと、「親が認知症になったら家族でも預金を引き出せなくなった」というご家族の体験が書かれているのを目にします。

 

判断能力を失った人の財産を他人が勝手に処分してしまわないよう、法律によって預金者保護のために定められている制度です。

 

しかし、親の入院や介護費用の支払いが本人の預貯金からできないと、家族にとっては大きな負担になります。

 

肉体的、精神的な負担に加えて金銭的負担も負うことになっては大変です。
親御さんが元気なうちに、いざという時に備えて金銭的なことをクリアにしておきましょう。

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② 万一の時に備えて、親と金銭面での問題をクリアにしておく~聞いておくこと

 

1.預貯金について→どこの銀行に預金があるのか 預金の種類 キャッシュカードがあるか?暗証番号は? 銀行印はどれか

2.年金について → 月々の受取金額はいくらか

3.保険について → どんな保険に入っているのか。保険証券はどこにあるか。

4.有価証券、不動産など → もし持っているのなら証券会社など

5.ローンや負債 → ローンや負債(借金)はないか?あるのなら金額はいくらか。

 

他にも住民税が課税課非課税か?などもありますが、とりあえず上記5点、特に1の預貯金については聞いておくことをお勧めします。

 

~うちの親の体験から~
両親は銀行の暗証番号を電話番号下四桁にしていました。ところがあるとき「それは危ないですよ」と人にいわれたらしく、暗証番号を変更しました。

 

その話を母に聞いたので、父に「何番にしたの?」と尋ねると「3457」と返事が。「なにそれ?」「6がないけんロクデナシたい」「……(ダジャレかい!)」ということがありました。

 

普段そんな冗談を言う父ではなかったので、あのとき番号を教えてもらわなかったら、私は絶対に推測することができなかったでしょう。

 

また印鑑をよく失くしており、最後に「これに替えた」と言って見せられた印鑑は(…これ普通の認印。まさか100均のじゃないよね?)と思うようなものでした。

 

そんな思いがけないこともありますので、一度きちんと話を聞いておくことをお勧めします。

 

確かに、お金のことは改まって尋ねにくいという話も聞きます。
うちは「何かあった時に、手続きとかわからないと困るから教えて」と聞きました(それを言うのにもだいぶ悩みましたが)。

 

母から「大事なものはだいたいここに入れているからね」と場所を教えてもらいました。そして「すぐに親の金をどうこうするんじゃないから安心してね」と話しました。

 

尋ねにくいことではありますが、親が暗証番号などを忘れてしまってからでは手続きが非常に面倒になります。元気なうちに話を聞いておくことが大切です。

 

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~ヒント~ 終活ブームにのって話をしてみるーエンディングノートの活用(PRESIDENT Onlineの記事を参考に)

 

なかなか話しにくい話題ですが、今わりとよく「終活」という言葉を耳にします。
このブームに乗って「終活ってよく聞くから、やってみない?」などと話をして、エンディングノートを書いてもらう形で、預金などを教えてもらうというのも一つの方法ではないかと思います。

 

お金のことは兄弟みんなで情報を共有する

あなたにご兄弟がいる場合、お金のことは兄弟全員で情報を共有しクリアにしておきましょう。介護などでお金を支出した場合など、情報を共有することで無用な争いを避けられます。

 

相続が「争続」になるといわれるのは、この親のお金の管理が不透明であることも原因の一つです。


親御さんとお金についてよく話をすると同時に、ご兄弟でもお金のこと、親御さんのこれからのことをよく話をすることが大事だと思います。

 

次回は、親の預金を引き出す方法などについてお話をしたいと思います。


今日もお読みいただきありがとうございました♪
またお会いしましょう。