親が高齢になったとき~知っておきたいお金の話③
ブログにご訪問いただきありがとうございます☆
前回は生活保護世帯にも、クーラー購入の費用が支給されるようになった記事を書きました。
今回はその前からの続き、お金の話をしたいと思いますが、一つ新しいニュースが入ってきたので、まずそのことをお知らせしたいと思います。
相続 預貯金の払戻制度が新設される
ちょうど日曜日くらいにニュースで流れたので、ご存知の方も多いと思います。
今までは人(親)が亡くなると、その人の口座は凍結されてしまっていました。
相続人の遺産分割協議が行われ、各自の取り分が決定してからでないと、預貯金の払い戻しを受けることができません。
そのため葬儀の費用など、高額なお金の支払いに支障をきたすことが問題になっていました。
約40年ぶりの相続法見直しで、150万円を上限に使い道を問わずお金が引き出せるようになりました。
細かい計算の仕方がありますが、ひとまずお金が引き出せるようになったことは朗報だと思います
(朝日新聞 DIGITALより)
さて親が亡くなった際口座を凍結されても、家族はある程度のお金を引き出すことができるようになりました。
しかし認知症になった場合の口座凍結については?というと、残念ながらそのような改正はありません。家族であってもお金を引き出すことができないのです。
親が認知症を発症した時の財産管理~成年後見制度について
伝えたいこと
①成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」の二つがある
②認知症発症後に利用できるのは「法定後見」のみ
③「法定後見」も万能ではない~事前の対策が大事
①成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」の二つがある
あなたも「成年後見制度」という言葉は聞いたことがあると思います。。
しかし「成年後見制度」には「法定後見」と「任意後見」の2つがあるのです。
・「法定後見」-申立てにより「家庭裁判所」が後見人を選ぶ
・「任意後見」-将来に備えて「被後見人(親)自身」が、後見人を選ぶ
ざっくりいうと、後見人になってくれる人を裁判所が選ぶか、本人が選ぶかの違いです。
②認知症発症後に利用できるのは「法定後見」のみ
認知症を発症してしまった後では「法定後見」(=裁判所が後見人を選ぶ)しか利用できません。
なぜなら認知症により、物事を判断する能力がないので、本人が後見人を選ぶことは無理だと判断されるのです。
そう聞くと「なんだかイジワル」「ずいぶん融通が利かない」と思われるかもしれません。
けれども本人が物事の判断能力がない状態で(例:だまされて)、財産の管理を任せるのにふさわしくない人(例:詐欺師)を後見人に選んでしまったらどうなるでしょう?
「本人の意思だから」といっても、ふさわしくない人を後見人にしたら大変です。そのため認知症を発症した後に利用できるのは、裁判所が後見人を選ぶ「法定後見」だけなのです。
③「法定後見」も万能ではない~事前の対策が大事
今の日本では「法定後見」が大半だといわれています。
しかしいくつか問題もあります。
1.手続きが面倒(ややこしい)かつ、認定に時間がかかる→申し立てから2~4か月(目安)
2.家族が後見人になれるわけではない~7割は専門家→専門家が選ばれた場合には報酬が発生する *横領などの問題が起こることも
3.家族が後見人になっても、親の財産を自由にはできない~あくまでも本人の財産をまもるための制度
4.一度、後見人になるとやめることが難しくなる→後見人の業務は、本人の判断能力が回復するまで義務付けられているため、簡単にやめることができません。(やむを得ないときは家庭裁判所の許可が必要です)
後見人は本人に代わって様々な手続きをする権限を持つため、家庭裁判所としても判断が慎重になります。それが、時間がかかったり煩雑だったりということになるのだと思います。
我が家も以前「後見制度」を少し調べてみたことがありました。
けれどもやはり手続きが面倒なのと、日々親のことを見守る中で、さらに後見制度を利用する余裕はありませんでした(時間的にも精神的にも)。
幸いどちらの親も、普通預金口座にある程度のお金がありました。そしてその口座に振り込まれる年金と合わせることで、施設や病院の支払いをすることができました。
今回成年後見制度(法定)を見てきて、子供や家族の立場からすると利用するのがなかなか大変…最後に使う手段かな?と感じました。
できることなら、親がまだ元気なうちに一緒に老後のこと、お金のこと、葬儀の希望などをぽつぽつ聞いておく方が、一番お互いにとって負担が少ないような気がしました。
今日書店でエンディングノートを購入してきました。エンディングノートも、今は色々な出版社から出されています。次回その感想などお話ししたいと思います。
親が高齢になると、心配なことが増えます。どうかあなたがあまり不安なく過ごせますように。
少しでもお手伝いができればうれしいです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました♪
またお会いしましょう。