行政書士事務所 ほりうち

福岡市で行政書士をしています。 

高齢者、障がい者が避難するための支援について

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ブログにご訪問いただきありがとうございます☆

 

先週末から天気が崩れ、現在九州の南部は大雨が降り続いています。どうか大きな被害が出ませんように。

 

前回すぐできる防災の準備について記事を書きました。
準備をするのは良いとして、いざ避難するときにご高齢の方や動けない方はどうしたらいいのか?ということが心に引っ掛かりました。

 

自力で避難できない人に対して何か支援がないのか?。少し調べたことをお話ししたいと思います。

 

伝えたいこと3つ

① 被災した場合、高齢者・障がい者の死亡率は通常の2倍
→「障害者差別解消法」成立、「災害対策基本法」の改正

 

② 各自治体で「避難行動要支援者名簿」の作成が義務づけられている
自分で申請できる場合あり

 

地域でかかわることの大切さ

 

① 被災時、高齢者・障がい者の死亡率は通常の2倍 →「障害者差別解消法」成立、「災害対策基本法」の改正

 

あなたは「災害弱者」という言葉を耳にしたことがありますか?

この言葉は平成7(1995)年に起きた「阪神・淡路大震災」の後から広まりました。

 

地震で直接命を落とさなかったけれども、災害や避難生活をきっかけに亡くなった方が919人。しかもその9割が高齢者だったことから、災害時に自力での避難が難しい方、避難所生活が厳しい方々がいることが、クローズアップされました。

 

その後の相次ぐ災害を契機として、平成25(2013)年6月に「障害者差別解消法」が成立、続いて災害対策基本法が改正されました。

法律の整備をすることで、少しずつ国も取り組みを始めています


② 各自治体で「避難行動要支援者名簿」作成が義務づけられている
→自分で申請できる場合あり

 

現在各自治体では災害で避難する際、手助けが必要な方の名簿をあらかじめ作成し、避難支援に活用することが定められています。

 

名簿を作成し、ご本人が情報の提供に同意されると、避難の支援関係者に名簿が提供されます。


災害発生時、支援を必要とする人の情報が共有されることで、スムーズに避難のための支援が行える仕組み作りを各自治体が進めています。(イメージ図は下記のとおりです)

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総務省の発表によると、平成30年11月現在で名簿を作成している自治体は97%まで増えています。

 

あなたは今「支援の名簿ができたのはわかったけれど、どんな人が対象?」と思われているでしょう。

 

名簿の対象は、障害や要介護3以上などあらかじめ国が定めた人と、申請すれば登録される人とに別れます。


福岡市のHPがわかりやすかったので、こちらに貼っておきますね。

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要介護1~2要支援や、65歳以上で身体虚弱な人その他行政の名簿に載っていない人でも申請することができます。

 

ご本人のお住いの市役所や区役所で手続きが必要なので、是非一度問い合わせてみてください。


③ 地域でかかわることの大切さ

名簿に名前も登録してあとは安心♪ …残念ながらそうとばかりは言えません。

上記の支援が必要な人の情報は、どこで共有されていたか再確認していただけますか?

 

自治議会、社会福祉協議会、民生委員、児童委員など、地域の方が避難支援者として、万一の時は協力して避難を助けてくれるのです。

 

各地区で防災訓練をしたり、支援関係者間でネットワークを作ったり、要支援者のご家庭を訪問しながら、町内の支援体制を整えていくのです。

 

今は町内会に参加することを望まない方、消極的な方も多いと思います。
しかし、いざという時頼りになるのは「遠くの親戚より近くの他人」です。

 

あなたの親御さんや、大切な人が離れて生活しているのなら、親御さんの「要支援者名簿」への登録を申請すると同時に、お隣さんや自治会長さん、民生委員さんにもご挨拶しておくことをお勧めします。

 

昨今の大災害で法律が改正されたのは、「いざという時、国の救助が間に合わないことが想定される。だから各地域で助け合って避難してほしい」という意味もあるのだと資料で読みました。

 

「お互いに顔を知っている」ということは、やはりいざという時には一番強いのではないでしょうか?

お互い近所の人のことを知っていれば、声をかけあって避難ができます。

 

時には少し面倒くさいと感じる町内の付き合い。でもそれは大切な一面もあることがわかりますね。皆で助け合って、過ごすことができますように。

 

【まとめ】 例:親の場合

① 避難行動要支援者名簿に登録を申請する → 市役所、区役所に問い合わせ

② ご近所や自治会長など、地域の人にも挨拶と状況を話して、親のことを覚えてもらうようにする

*番外 困ったときは、まず自分の住んでる自治体のHPを覗いてみるのが一番情報が得られます! 市役所や区役所のHPと仲良くなりましょう。

 

 各地方どうか災害が起きませんように。

 

今日もここまでお読みいただきありがとうございました♪
またお目にかかりましょう。