行政書士事務所 ほりうち

福岡市で行政書士をしています。 

緊急事態宣言後の障がい福祉サービス等事業所の対応について(福岡県)

f:id:yuki0510gyosei:20191125184435p:plain

4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法32条に基づき、緊急事態宣言が出され緊急事態措置を実施すべき区域として福岡県が公示されました。

 

それに伴い、障がい福祉サービスに関する通知が4月7日、9日福岡県福祉労働部長より出されました。

 

今日は7日と9日の通知の概要についてお伝えします。

 

【概要】 

対象 : 通所又は短期入所等のサービス提供の事業所

内容

1.感染拡大の防止について

  1-1 サービスの縮小

        1-2 どうしても実施困難な場合の休業の検討

   1-3  休業の場合、関係各所との連携による適切なサービス確保

      

 2.休業等を行う事業所に対する事業継続支援策

    2-1 人員基準等の臨時的な取扱い

    2-2  事務所職員の在宅勤務

    2-3  融資制度の活用

    2-4  雇用調整助成金の活用

    

 3.「居宅等での健康管理、相談支援等のできる限りの支援」に対する福岡県の見解

 

1.感染拡大の防止

 ①通所を控えていただくことでサービス提供の縮小など感染防止の対応を検討の上、必要な支援を行う

 ②利用者の感染や地域における感染拡大等、サービスを縮小してもなお実施困難な場合は休業も検討

 ③休業の場合、市町村・相談支援事業所と連携して、利用者に対し適切なサービスを確保する

 

2.休業等を行う事業所の事業継続支援策

 ①人員基準等の臨時的な取扱い

休業等を行った事業所が利用者等の意向を確認した上で、できる限りの支援*を行ったと市町村が認める場合には、通常提供しているサービスと同等のサービスを提供しているものとして、報酬の対象とすることが可能

注)必ず事前に市町村に確認のこと

  *3を参照

 

 ②事務所職員についても、適切な労務管理等を行うことを前提に、個人情報管理にも留意し、在宅勤務も可能とする。

 

 ③独立行政法人福祉医療機構における融資制度の活用

新型コロナウイルス感染症の影響により事業運営が縮小した障害福祉サービス等事業所に対して、無利子・無担保の資金融資による経営支援を行う。

 

 雇用調整助成金の活用

新型コロナウイルス感染症に伴う経済上の理由による事業活動の縮小に伴い、事業主が雇用調整のために労働者を休業させて雇用の維持を図った場合、雇用調整助成金による支援が受けられる。

 

通所又は短期入所等サービス以外のサービスを実施する事業所の対応について

社会福祉施設等における感染拡大防止のため留意点について」(令和2年3月6日厚生労働省健康局結核感染症課ほか連盟事務連絡)等を踏まえ、感染拡大防止の取り組みを引き続き徹底する。

 

3.「居宅等での健康管理、相談支援等のできる限りの支援」に対する福岡県の見解  

1.在宅就労について

「就労移行支援、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について」(平成19年4月2日障発第0402001号 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害保健課通知)の5の(3)に基づいて実施。

 ↓

【その概要】

① 就労の機会の提供、必要な訓練や支援を行うとともに、常に在宅利用者が行う作業活動、訓練等のメニューが確保されていること。

 

② 1日2回は連絡、助言又は進捗状況の確認等のその他の支援を行い、日報を作成。また必要や利用者の希望に応じ、1日2回を超えた対応も行うこと。

 

③ 緊急時の対応ができること

 

④ 在宅利用者に疑義が生じた際の照会等に対し、随時、訪問や連絡による必要な支援が提供できる体制を確保すること。

 

⑤ 事業所職員による訪問又は利用者による通所により評価等を一週間につき1回は行うこと。

⑥ 在宅利用者は、原則月の利用日数のうち1日は事業所に通所し、事業所内において訓練目標に対する達成度の評価等を行う。また、事業所はその通所のための支援体制を確保すること。

 

⑦ ⑤が通所により行われ、あわせて⑥の評価等も行われた場合、⑥による通所に置き換えて差し支えない。

 以上の①から⑦までの要件を満たすことが原則です。

 

しかし今回は、適切な在宅での支援が可能と市町村が認める場合には、報酬算定要件(①~⑦)の一部を適用しないなど柔軟な取扱いをして差し支えないとされています。

在宅就労を行う場合、貴事務所の対応で「できる限りの対応をした」として報酬の算定が可能かどうかを、事前に関係市町村までご確認ください。

 

2.在宅支援について

障がい者(児)とその家族が安心して自宅にとどまっていただけるよう、利用者及びその家族の理解を得つつ、原則として事前に市町村に支援内容について確認を得た上で、次の例を参考に、個々の状況に応じた支援を実施します。

 

(具体的なサービス内容の例)

・居宅への訪問による継続的な支援

・自宅で問題が生じていないかどうかの確認

・利用者の健康管理

・普段の通所では出来ない、利用者及びその家族との個別のやりとりの実施

・今般の状況が落ち着いた後、スムーズに通所を再開できるようなサポート

 

 

3.上記1・2により報酬を算定する場合に留意すべきこと。

 

・通所が必要な利用者について、事業所においてサービスの提供ができる体制をとっていること。

・利用者及びその家族等の意向を確認すること。

・相談支援事業所(セルフプランの場合を除く)と連携を取ること

・個別支援計画の見直しをすること

・サービス提供(支援内容)の記録を残すこと。

 

 まとめ】

1.感染拡大を防ぐため、サービス提供の縮小・場合により休業を検討

*休業の場合、利用者に適切なサービス提供の確保を行う

2.休業等を行う事業所に対し事業継続の支援策がとられる

  ・人員基準等の臨時的取扱い

  ・事務所職員の在宅勤務可能

  ・融資制度

  ・雇用調整助成金

 *必ず事前に関係市町村と協議のこと

 

 ※融資や助成金については、また改めて記事にしたいと思います。

 

緊急事態宣言を受け、各事業所の皆様対応に追われていることと思います。

どうぞ各事業所の皆様、利用者の皆様のご健康が守られますように。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

 

行政書士事務所ほりうち(代表:堀内由紀)

連絡先:092-775-0658

yushalom0510☆gmail.com(☆を@に変えて送信ください)